OpenAI社の新しい生成AIモデル「GPT-4o mini」のリリースが発表されました
みなさん、こんにちは!
福岡オフィスの青柳です。
OpenAI社の新しい生成AIモデル「GPT-4o mini」のリリースが発表されました。
「GPT-4o mini」の特徴
公式アナウンスによれば、以下の点が特徴に挙げられています。
- インテリジェンス: GPT-3.5 Turboを上回る推論性能
- 価格: GPT-3.5 Turboよりも60%以上安価 (具体的な利用料金は後述)
- マルチモーダル: テキストとビジョン機能をサポート、将来的には音声およびビデオの入出力もサポート予定
- マルチ言語: GPT-3.5 Turboよりも幅広い非英語言語に対応
比較対象として「GPT-3.5 Turbo」が挙げられていることから、OpenAI社では「GPT-4o mini」をGPT-3.5 Turboを置き換えるモデルと位置付けているようです。
GPT-4やGPT-4oの登場後は、GPT-3.5 Turboは「コスト効率に優れたモデル」の位置付けで利用される機会が多かったのではないかと思いますが、今後はGPT-4o miniを利用する機会が増えるのではないでしょうか。
また、リリース文書では「Gemini Flash」「Claude Haiku」とのベンチマークスコアが比較されていることから、これらの「軽量・高速・安価」なモデルへ対抗するものとして開発されたことが想像できます。
利用料金
GPT-4o miniの利用料金は、以下のようになっています。
- 入力時: $0.150 / 100万トークンあたり
- 出力時: $0.600 / 100万トークンあたり
他の代表的なモデルとの比較は以下の通りです。
モデル | 利用料金 (入力時) | 利用料金 (出力時) |
---|---|---|
GPT-4o mini | $0.150 / 100万トークンあたり | $0.600 / 100万トークンあたり |
GPT-4o | $5.00 / 100万トークンあたり | $15.00 / 100万トークンあたり |
GPT-4 Turbo | $10.00 / 100万トークンあたり | $30.00 / 100万トークンあたり |
GPT-3.5 Turbo | $0.50 / 100万トークンあたり | $1.50 / 100万トークンあたり |
ChatGPTでの利用
「Free」「Plus」「Team」の各サブスクリプションでは、即日利用可能になっています。
「Enterprise」サブスクリプションのユーザーは、来週から利用可能になるとのことです。
APIの利用
API / SDKを使った利用は既に可能となっています。
OpenAI公式ドキュメントサイトでのAPI利用例も、既にGPT-4o miniをベースとしたものになっていますね。
サンプルコードの内容を日本語に置き換えて、実行してみましょう。
from openai import OpenAI
client = OpenAI()
completion = client.chat.completions.create(
model="gpt-4o-mini",
messages=[
{"role": "system", "content": "あなたは、複雑なプログラミングの概念を創造的なセンスで説明することに長けた、詩的なアシスタントです。"},
{"role": "user", "content": "プログラミングにおける再帰の概念を説明する詩を作成してください。"}
]
)
print(completion.choices[0].message)
こんな「詩」が生成されました。
**再帰の舞踏**
山の奥深く、静けさの中、
一つの問いが、ゆっくりと湧く。
「自己を超え、どこまで行ける?」
再帰の扉、さあ開いてみよう。
水の流れも、遠くの山から、
小さな川となり、曲がりくねる。
自身の姿を、何度も映し出し、
夢のように、繰り返す旅路。
理解しよう、山の頂きを、
一歩進んで、また一歩引き返す。
「基底条件」で止まるその時、
ついに見える、真実の光。
同じ道を、何度も歩く、
まるで星々が、輪を描くように。
それぞれの選択、分岐点を越え、
無限の物語が、ここに生まれる。
再帰はただの、ループではなし、
心の中の、深き海を泳ぐ。
コンピュータが語る、秘めたる真実、
再帰の舞踏、共に踊ろう。
時には迷い、時には明瞭、
一つの問題、回帰を味わう。
再帰の美しさ、あなたの手に、
無限の夢を、形にしてみて。
・・・なんだか良く分かりませんが、詩的ですね。(笑)
Azure OpenAI Serviceでの利用
Azure OpenAI Serviceにおいては、限定的にGPT-4o miniが利用できるようになっています。
「限定的」と書いたのは、Azure OpenAIの「早期アクセスプレイグラウンド」(Early Access Playground) のみで利用できるという点です。
つまり、モデルの「デプロイ」を行なったり、APIを利用することは、現時点ではまだできません。
早期アクセスプレイグラウンドについては下記を参照してください:
「早期アクセスプレイグラウンド」のGPT-4o miniは、リージョン「West US 3」または「East US」のみで利用可能となっています。
Azure OpenAI Studioを開いて、左側メニューの「早期アクセスのプレイグラウンド」を選択します。
画面右側の「モデル」の選択項目で、「GPT-4o mini (preview)」が選択可能になっています。
弊社の生成AI環境構築サービス「AI-Starter」での利用
弊社の生成AI環境構築サービスで提供している生成AIチャットボットパッケージ「AI-Starter」でも、すでに「GPT-4o mini」が利用可能になっています。
弊社Webサイトのお知らせへの掲載はこのタイミングとなっていますが、実は、OpenAI社のリリースの翌日 (7月19日) には「AI-Starter」でGPT-4o miniが利用可能になっていました。
このように、AI-Starterでは各社の新しい生成AIモデルへ迅速に追随すべく、日々活発に開発を行っております。
おわりに
簡単ですが、OpenAI社の新しい生成AIモデル「GPT-4o mini」についてご紹介しました。
「軽量」「高速」「安価」という特徴を活かして、今後さまざまな場面で利用されることが期待できますね。